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【心に響く絵本】　ビロードのうさぎ

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酒井駒子さんの、甘すぎず、だけど温かくきゅんとするような絵が本当に素敵です。お話の内容も最後には心がほっとして、励まされているような余韻も残るとてもいいお話です。ビロードのうさぎ青いリボンとピンクのお鼻がなんとも愛らしいうさぎのぬいぐるみ。そして小さな男の子のうさぎへの愛情。切ないような心細いような気持ちに共感したり、反省したり・・でも、大切にして愛情をそそいだもの、そそがれたものには　きっと魔法がおとずれる・・・・そんなメッセージにほっとしつつふと身の回りのいろんなことをあてはめて、読む人それぞれに大切なメッセージを届けてくれます。お子様にも大人にも素敵な贈り物になる、そんな魅力的な絵本です。【おはなし】ある日、ぼうやのもとにやってきたビロードのうさぎ。たくさんのおもちゃにかこまれて部屋のすみで小さくなっていたうさぎは「子どもに愛されたおもちゃはいつかほんものになれる」ことを知ります。やがて、ぼうやといっしょにすごすようになったビロードのうさぎにまほうがおとずれて…。
　　　　とにかく、酒井駒子さんの絵が本当に素敵です。パステルで描かれたような素朴でどこかノスタルジックなお洒落な雰囲気が切ないながらも温かみのあるお話の内容にもピッタリです。ちょっとこころぼそい時、さびしい時、うれしい時、そばにいるぬいぐるみを手にとりそっと本心をつぶやいて、抱きしめて、なぐさめてもらったことはだれにでもきっとあるはず。だけどいつしか可愛がっていたぬいぐるみも過去の懐かしい存在になってしまった・・そんな経験はだれにでもあるのではないでしょうか。そんな経験を振り返りながら、またウサギの気持ちに心を重ねながら読み進めるといろんなメッセージを感じ、最後には励まされているような気持ちになりました。　お子様に読んであげれば、きっと何か大切なことを心に響かせてくれそうなそして大人が読めば、忘れかけていた、人に、モノに対する心の寄せ方をあらためて思い出させてくれるようなプレゼントなどにも喜ばれる素敵な素敵な１冊です♪ビアンコ,マージェリィ・W.：作酒井駒子：絵サイズ27.4 x 22.4 x 1.2 cm （32ページ）◎ブロンズ新社

【ビアンコ,マージェリィ・W.】1881年、ロンドン生まれ。結婚後、アメリカに住む。初期は小説を書いていたが、『The Velveteen Rabbit』を機に、絵本の作家に転身。30数点の作品を残している。1944年、ニューヨークで息をひきとる【酒井駒子】1966年、兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。98年の絵本デビュー以来、次々と作品を発表。その華麗な画は国内はもとより海外でも評価が高い。『きつねのかみさま(文・あまんきみこ)』(ポプラ社)で2004年日本絵本賞、『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)で2005年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)金牌を受賞、『ぼくおかあさんのこと…』(文溪堂)で2006年フランスにてPITCHOU賞を、オランダにてZilveren Griffel賞(銀の石筆賞)を受賞。装画も多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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